新規公開株(IPO)の威力は、とてつもない利益をもたらしました。
「すごい!すごすぎる!!」
借金をしてまでお金をかき集めた甲斐があったと思いました。
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転落した薬剤師の借金のはじまり
今から10数年前、某郊外にある私立大学薬学部を卒業した私は、国家試験にも合格して、晴れて薬 ...
安定していた薬剤師が借金にのめり込んだきっかけ。
その後も乱高下はありましたが、ほぼ高値で売り切ることができました。
「これで借金が返せる。カードの返済もできる。そしてお買い物も思う存分できる!」
当時は株を売却してから現金が手元に届くまで2日間かかりました。
とても待ち遠しく、かなりのハイテンションで2日間を過ごしたように思います。
待ちに待った入金日、証券会社のATMから即全額を引き出しました。
実際に手に取る400万円は相当な厚みがありました。
現在の借金額の600万円はあれの1.5倍。。考えただけでも憂鬱になりますね。
その400万円を手に次はATM回りです。
ATM回り
- 消費者金融に100万円。
- 銀行ATMからカードキャッシングに100万円。
- リボ払いの入金に100万円。
- 分割払いの返済に100万円。
手元にあった400万円はあっという間に返済に消えてしましました。
ただし、気分的には本当に身軽になったように感じた瞬間でした。
ほんの一瞬の出来事でしたが。
当然、気分的には儲かっていたこともあり、浮かれていました。
返済が終わったら待ちに待ったショッピング!
ボーナスも近かったため、買い物も思う存分楽しみました。
靴にバックにネックレス・・・ほとんどが分割かリボで買っていました。
「また、株で勝っちゃえば問題ない。IPOに当たれば簡単に勝てるしね~」
仕事も上の空で株のことしか考えておらず、証券会社のフロアで株価の画面を見ながら、おじさん達と話すのが毎日の日課に
なっていました。
転落の第2歩、「信用取引」
信用取引とは現金や株を担保として証券会社に預けて、それを担保にして証券会社からお金を借りて株式を買ったり、株券を
借りてそれを売ったりする取引の事です。
最大、預けた担保の評価額の3.3倍まで株式の取引をすることができるシステムです。
つまり、30万円を証拠金として入金すると、約100万円までの株式の取引をすることができます。
「おねーちゃん、毎日熱心だけど儲かってる?次はこっちを買っておけば、第二のソフトバンクやで」
「ここのゲーム株はこの前発表した最新作の評判がめっちゃ悪い。決算前に全力で売っておけば、儲けられるかもよ」
など毎日のようにおじさん達からは情報がありました。もちろん、ほとんどが当てにはならない情報だったのですが、とても
刺激的でした。
私は女性だったことと、軽い健康相談話などをしていたために、とても可愛がってもらいました。
「私も信用口座開けるかな?」証券会社の担当さんにすぐに確認をしました。
「信用口座の開設のためには審査が必要になります。こちらに記載をして、少々お待ちください。」
約2週間後、めでたく?信用口座の口座が追加になっておりました。
その頃の私は、IPOの興奮が忘れられず、ハイリスクハイリターンの取引を好んで行っておりました。
IPOの当選はほとんど期待ができないので、セカンダリーを狙うことが多かったです。
上場前の公募ではもらえないので、上場後の初値で購入して、すぐに売ってしまう取引です。
セカンダリーはいい時には本当に儲かりました。
ただし、信用の銘柄指定がまだされていない事も多く、なかなか買えなかったのも事実です。
この頃、株式雑誌に載っていたのが「仕手株」です。
仕手筋により株価操作をされている銘柄です。
株価の急騰急落が特徴です。 特定のプロの集団のことを「仕手集団」や「仕手筋」と呼びます。
兼松日産やクラリオン、田淵など触ってみたのですが・・・信用取引で購入すると、約3倍の価格の株が購入できるのですが、損失も3倍だったんですね。
株の格言で「買いは家まで、売りは命まで」との格言がありますが、仕手株にはまった結果、一日で70万円の損失を出したこともあります。
それからというもの、確実に勝てる方法を考えに考えました。
やはり、長期の方が収支のバランスが安定するとの結論に達し、特に知識のある製薬企業や化学系の株を少ない単位で多めに持つようにしました。
この方法は配当も入ってきて、安定した利益を生むようになりました。
しかし、忘れもしない2008年9月、リーマンショックが襲ってきたのです。
サブプライムローンに端を発したリーマンショックは、日本の株式市場も直撃しました。
この時、長期のスタンスで運用していた私のポートフォリオは一晩にして真っ赤っかになってしまいました。
来る日も来る日も値下がりが続きましたが、「いつか上がる、いつか回復する」との思い込みから損切りができず、追証追証
の毎日になってしまいました。
この時、現金を用意できずにキャッシング、銀行カードローン、消費者金融に手を出してしまったのです。
結果、買値からは大分下がったところで、遅い遅い損切りをしました。紙切れ同然です。
そんなこんなで、株では散々な目にあってしまいましたが、一番初めに儲かってしまった、あの興奮感が忘れられずに、現在
まで続いております。
今は細々と株とFX(外国為替証拠金取引)、日経平均先物取引などを細々と行っています。
損失は持ち越しできるのですが、いつかは借金を株で返せたらと考えております。
ですが・・・株で返すよりも先に何とか遅延金を払う方法を考えなければなりません。
先日、債券回収会社から、こんな手紙が届いてしまいました。
私がポストから取ったため、ダンナさまにはバレませんでしたが・・・何とか11月27日までにはお支払いをしなければ。
もし工面が出来なければ、債務整理を今度こそシナケレバなりません。
連絡するのが怖いです。。